FX(外国為替証拠金取引)を始めたばかりの人にとって、「pips(ピップス)」という言葉は少し聞き慣れないかもしれません。でも、このpipsを正しく理解することは、FXで利益を出すための最初の一歩です。
なぜなら、pipsは「通貨の値動きを表す単位」であり、**トレードの損益・戦略・リスク管理のすべてに関わってくる“共通言語”**だからです。
たとえば、
「この取引で20pips取れた」
「ストップロスは30pipsに設定している」
「スプレッドが0.2pipsで狭い」
…といったように、pipsはFXの世界で頻繁に登場します。
しかし、もしこのpipsの意味や計算方法が曖昧なままだと…
- どのくらい利益が出たのか正確にわからない
- 損切りや利確の判断が感覚頼りになってしまう
- 他のトレーダーのアドバイスや分析が理解できない
こうした状態では、冷静で論理的なトレードができず、ギャンブルに近い取引になってしまいます。
逆に、pipsをしっかり理解していれば、
- どの通貨ペアでも値動きを統一基準で把握できる
- 自分の取引結果を正確に振り返ることができる
- リスク管理を数字で明確にコントロールできる
このように、勝てるトレーダーに必要な「数字感覚」と「判断力」が自然と身についていきます。
それでは、pips(ピップス)ついて、解説していきたいと思います。
1. pips(ピップス)とは?
pips(ピップス)とは、FXにおける価格変動の単位のことです。
FXは通貨ペアで取引するため、通貨ごとに「小数点以下の桁数」が異なります。
それを統一的に測るのがpipsです。
2. なぜpipsが重要なのか?
FXトレーダーは、為替レートの変動によって利益や損失を得ます。
その「変動の大きさ」を表すのがpipsです。
以下のような使い方をします:
- 「10pips取れた」=為替が10単位動いて利益が出た
- 「20pips損した」=為替が20単位動いて損した
pipsは、利益や損失、戦略を語るうえでの“共通単位”です。
3. pipsの計算方法
pipsの計算方法について説明します。
注意が必要なのは、円が絡む場合とそうでない場合で、が異なることです。
1pipsの単位は、「通貨同士の価値の差」と「市場の実務上の慣習」によって決まっています。
- USD/JPYのように1ドル=100円以上のようなレートの場合: → 小数点以下2桁で十分な精度(0.01円)
- EUR/USDのように1ユーロ=1ドル程度のようなペア: → 小数点以下4桁まで表示しないと、変動が細かく見えない
上記理由で、1pipsの単位が異なります。
基本ルール(多くの通貨ペア)
- 小数点第4位まで表示 → 1pips = 0.0001
- 例:USD/JPY以外(EUR/USD、GBP/USDなど)
例外ルール(日本円が絡むペア)
- 小数点第2位まで表示 → 1pips = 0.01
- 例:USD/JPY、EUR/JPYなど
4. 【具体例で解説】pipsの計算パターン
① EUR/USD(ユーロ/ドル)の場合
- エントリー:1.1000
- 決済:1.1015 → 15pipsの利益
計算:1.1015 – 1.1000 = 0.0015 → 15pips
② USD/JPY(ドル/円)の場合
- エントリー:110.00
- 決済:110.25 → 25pipsの利益
計算:110.25 – 110.00 = 0.25 → 25pips
③ マイナスになった場合(GBP/USD)
- エントリー:1.2500
- 決済:1.2470 → -30pipsの損失
計算:1.2470 – 1.2500 = -0.0030 → -30pips
④ スプレッドに関するpipsの例
- USD/JPYのスプレッドが「0.2pips」 → **売値と買値の差が0.02円(0.2pips)**という意味です
スキャルピングなどでは、スプレッドの狭さ=有利さに直結します。
5. pipsと利益・損失の関係
pipsを見ただけでは、実際の金額はわかりません。
実際の金額は、ロット数と通貨の単位が関係します。
例:1万通貨(0.1ロット)で取引した場合(USD/JPY)
- 1pips = 0.01円 × 10,000通貨 = 100円
- 10pips動いたら = 1,000円の利益 or 損失
例:1ロット(10万通貨)でEUR/USDを取引
- 1pips = 0.0001ドル × 100,000通貨 = 10ドル
- 50pips取れた → 10ドル × 50 = 500ドル
6. まとめ:pipsを理解してFXの基礎を固めよう
- pipsとは価格変動の単位。共通の“ものさし”
- 通貨ペアにより小数点以下の桁数に注意
- 利益・損失額を計算するには通貨数とpipsの掛け算
pipsを理解することで、トレードの分析や戦略立案が一気にしやすくなります。まずは「pips=変動の単位」という基本を押さえて、次のステップへ進みましょう!
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