【鉄則#4】ロスカットの仕組みを理解する ~FXで資金を守るための最重要ポイント~

FXには“安全装置”がある

FXは、少ない資金で大きな金額を動かせる投資です。

しかし、思いもよらぬ相場の急変で、大きな損失が出ることもあります。

そのようなリスクに備える仕組みが「ロスカット」。

これは、あなたの資金を守る“自動ブレーキ”のようなものです。

必要証拠金と有効証拠金の違いと関係性


FXのロスカットを正しく理解するためには、まず「必要証拠金」と「有効証拠金」の両方の仕組みをしっかり押さえることが重要です。

💡 必要証拠金とは?

必要証拠金とは、FXでポジションを持つときに「担保」として証券会社に預けておく最低限の資金です。

ポジションを持つごとに、口座から自動的に引き当てられ、拘束されます。

▼ 例:1ドル=150円で1万通貨取引の場合
  • 取引総額:150円 × 10,000通貨 = 1,500,000円
  • レバレッジ:25倍
  • 必要証拠金:1,500,000 ÷ 25 = 60,000円

この60,000円は「拘束される資金」であり、新しい取引には使えません。

💡 有効証拠金とは?

有効証拠金とは、今の資産状況を反映した「実質的に使える資金の目安」です。

現在の口座残高に、保有ポジションの含み損益を加えた値になります。

▼ 有効証拠金の計算式:


有効証拠金 = 残高 + 含み損益

▼ 例:口座残高10万円で含み損が2万円ある場合
  • 有効証拠金 = 100,000円 − 20,000円 = 80,000円

有効証拠金が減っていくと、ロスカットの危険性が高まります。

必要証拠金と有効証拠金の関係

用語内容
必要証拠金ポジションを維持するために拘束されている最低資金
有効証拠金残高と含み損益を合算した「現在の資産の評価値」
証拠金維持率有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100

ロスカットの発動条件

ロスカットは、「証拠金維持率」が一定以下に下がったときに自動で執行されます。

「証拠金維持率」は、FX会社が指定しているロスカットの閾値です。

多くのFX会社では、50%としています。

証拠金維持率の計算式は、以下で表されます。

証拠金維持率(%)の計算式:有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100

たとえば、証拠金維持率が50%で、必要証拠金が60,000円で、有効証拠金が30,000円になったら…

→ 証拠金維持率は「50%」となり、多くのFX会社でロスカットが発動します。

シミュレーション:10万円で取引した場合のロスカットまでの流れ

たとえば、1ドル=150円のときに1万ドル分を買うとします。

  • 取引金額:150円 × 1万通貨 = 1,500,000円(150万円)
  • レバレッジ:25倍
  • 必要証拠金:150万円 ÷ 25倍 = 60,000円

この時のロスカットまでのシュミレーションをすると以下のようになります。

為替レート含み損益(円)有効証拠金(円)証拠金維持率(%)
150円0円100,000円166.6%
149円-10,000円90,000円150.0%
148円-20,000円80,000円133.3%
147円-30,000円70,000円116.6%
146円-40,000円60,000円100.0%
145円-50,000円50,000円83.3%
144円-60,000円40,000円66.6%
143円-70,000円30,000円50.0%

ロスカット後に残る金額は?

ロスカットが発動すると、保有していたポジションはすべて自動決済され、

含み損が確定損失として残高から差し引かれます。

例えば、70,000円の損失でロスカットされた場合、

手元に残るのは 100,000円 – 70,000円 = 30,000円 となります。

まとめ:ロスカットを“頼る前”に備える

  • ロスカットは「最後の安全装置」。
  • 本来は、損切りなどの自己管理が先
  • 「証拠金維持率」や「必要証拠金」を理解しておくことが、損失回避の第一歩です。

少額・低レバレッジから始め、まずは仕組みを理解することから始めましょう!

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