【鉄則FX】「コツコツドカン」を防ぐには、利確幅と損失リスクを“計画”でコントールする。

はじめに:「コツコツドカン」の正体とは?

FXでは、小さな利益をコツコツ積み重ねたのに、

**1回の大きな損失=“ドカン”**で帳消し…という状況が初心者によく見られます。

この「コツコツドカン」は、感情に任せたトレード準備不足によって起こります。

 利確幅の設定ミスが、ドカンを招く

  • 利確を毎回+5〜10pips程度で感覚的に確定してしまう
  • 一方で、損切りを-50pipsと大きめに取っている

このように損益のバランスが崩れると、トータルで負けやすくなるのです。

回数利益 (pips)損失 (pips)
1回目+8
2回目+10
3回目+7
4回目-80
合計+25-80 → -55pips

勝率より“損益比率”が成功を分ける

外為どっとコム「勝ち組トレーダー分析2021」では、 「勝率5割未満」でも「損小利大」のスタイルで利益を上げているトレーダーが多数いると報告されています。

プロトレーダー松崎美子氏も「利確と損切りの比率を守ることが最重要」と強調されています。

 利確幅を計画的に設定するための3ステップ


① 利確幅と損切り幅をペアで設定する

目安:リスクリワード比(損:利)を1:1以上
例えば、下の表な感じです。

損切り利確リスクリワード比
30pips30pips1:1
30pips60pips1:2

② エントリー前に「利確目標」を紙に書く or トレードノートに記入

例えば「直近高値手前まで(+35pips)」のようにあらかじめ、理想的な出口を決めて、明文化しておくことが大事です。

 目標に到達したら、欲を出さず即利確

「もっと伸びそう」はドカンの入り口です。

 「もっと伸びそう」と思えても、最初に決めたルールに従うことが大事です。

ドカンを最小限に抑える5つの方法

利確の工夫だけでなく、「そもそも大損を避ける仕組み」も必要です。

以下の5つは守りの鉄則”として非常に有効です。

1. リスクは「1回の損失=資金の2%以内」にする

『トレーダーの成功と失敗』のアレキサンダー・エルダーは、「1回の損失=資金の2%以内」にすることを勧めています。

  • 資金10万円なら、1トレードの損失は最大2,000円以内に抑える
  • 損切り幅から逆算してLot数を調整

2. 逆指値(ストップロス)は必ず入れる

逆指値(ストップロス)の損切りを入れないのは、シートベルトなし・エアバッグなどの事故対策をせずに高速道路を運転するようなものです。

想定外の相場急変で、口座が一撃で飛ぶ危険性あります。

3. 経済指標・要人発言前にはポジションを持たない

ドカンは、前触れもなく来ることもありますが、予測できることもあります。
以下のようなドカンが起きそうな状況では、ポジションを取らない方が賢明です。

  • 雇用統計、FOMC、日銀政策などの時間帯はノートレード
  • 瞬間的に数十pips〜数百pips動くケースもあり

例:2020年コロナショック後、FOMC発表で1日500pips変動

4. 「1日・1週間の損失上限」を決めておく

負けを取り戻したくなる気持ちは人間として普通です。
しかし、負けを取り戻そうとするトレードは、感情的になりやすいものです、止めましょう。

  • 例:「1日-3,000円以上負けたらその日は終了」
  • 感情トレードを防ぎ、連続ドカンの予防策

5. トレード記録を残す、またはEAを活用する

『ゾーン』(マーク・ダグラス著)でも「自己認識が成功の鍵」されています。
自分の失敗・感情の癖を記録して見える化しておくことが大事です。

自動売買(EA)を使って感情を入り込む余地をなくすのも有効な手立てです。

そして重要なのが「レバレッジの管理」

まずは前提:レバレッジとは?

レバレッジとは、少ないお金で大きな取引を可能にする仕組みです。

例えば、自分の資金10万円の時、レバレッジ25倍 とすると、 250万円分の通貨を動かせます。

リターンも損失も“増幅される”のがレバレッジの特徴

以下の表をご覧ください(1万通貨、資金10万円で取引した場合)。

レバレッジ取引金額1pipsの価値+50pipsの利益-50pipsの損失
1倍10万円約100円+5,000円-5,000円
10倍100万円約1,000円+50,000円-50,000円
25倍250万円約2,500円+125,000円-125,000円(※元本以上)⚠️

リターンのメリットとしては、低資金でも大きな利益を狙える → たとえば10万円で125,000円の利益を取れる可能性もある。

一方で、同時に損失リスクも大きくなります。
強制ロスカットラインに達すると、自動的に損切りされ、逆方向に動けば、あっという間に資金以上の損失が発生します。

イメージとしては、F1 vs 普通車のような感じです。

  • レバレッジ25倍 → アクセル1踏みで一気に加速=F1 → うまく使えば速く目的地に着くが、ハンドルミスで大事故にも
  • レバレッジ5倍以下 → 安定した運転=普通車 → 大きく稼ぐには時間がかかるが、事故のリスクは低い

初心者が知っておくべき「レバレッジとの付き合い方」

ポイント説明
レバレッジは魅力的だが…利益だけでなく、損失も同じ倍率で膨らむ
低レバでも利益は出せるコツコツ安定した勝ち方を重ねれば、トータルで増える
高レバ=短期ギャンブル一時的に勝てても、いずれドカンで帳消しになりやすい

リターンの魅力に惹かれるのは当然ですが、 トータルで生き残ることが最優先

「レバレッジを上げるのは、勝ちパターンが固まった後」

それまでは、低レバ×損小利大で地に足のついた運用が良いです。

まとめ:コツコツドカンは“仕組み”で回避

最後に、コツコツドカンの回避策を項目別に纏めます。

項目回避策
利確幅感情で決めない。事前に目安設定
損切り逆指値を必ず入れる。資金の2%以内に
レバレッジ最大10倍以内。Lot数で調整
感情管理トレード記録 or EAの活用
相場の荒れ時指標発表時は基本ノートレード

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