逆張り思考の難しさ
FX初心者にありがちな逆張り思考――
「価格が下がったから買う」「価格が上がったから売る」は、
“今が底/天井”という予想ゲームです。しかし相場は生き物のように動き、底や天井を正確に当てるのはプロでも難易度が高い戦術。
• 群衆の逆を行くストレス
• 反転タイミングを見誤る含み損の長期化
• 小さな損失を積み上げ、わずかな勝利で取り返す厳しい資金管理
…といったハードルを越えなければならず、初心者には非常にハードです。
そこでまずは、相場の大きな“流れ”に乗る順張りを基本にしましょう。
トレンドフォロー戦略(順張り)とは?
トレンドフォロー戦略(順張り)とは、
上昇トレンド(価格が高くなる流れ)では「買い」
下降トレンド(価格が低くなる流れ)では「売り」
市場にの流れに沿って、売買をする方法です。
トレンドフォロー戦略は、“市場価格は一定期間、同じ方向に動きやすい” という性質により、過去100年以上にわたって、株式・債券・コモディティなど多様な資産で一貫してプラスの超過リターンを生み出してきました。
- Fair(2018)の研究では、1880年以降の世界各国市場データを用い、シンプルなトレンドフォロー戦略が年率約5〜10%の超過リターンを安定的に記録していることを確認しています。
- 同様に、CTA(商品トレーディングアドバイザー)として知られるプロ集団の運用実績をまとめたSG Trend Indexも、過去数十年で株式市場が低迷する局面での「ヘッジ(保険)効果」と、強い上昇相場での追随効果により、一貫したプラス推移を示しています。
これらは「トレンドが起きる頻度が損益を決定づける」というダウ理論の考え方とも合致し、初心者でも再現性ある手法として評価されています。
MA(移動平均線)とRSI(相対力指数)について
トレンドを捉えるには、MA(移動平均線)とRSI(相対力指数)について、理解しておく必要があります。
MA(移動平均線)とRSI(相対力指数)について説明します。
「川の流れ」でイメージする MA(移動平均線)
山の小川には小さな波がたくさん立ちますが、全体の水がどちらに向かっているかを見たいときは、川底から流れ全体を感じますよね。
MAはその「川底の流れ」を示すラインです。
毎日の価格の上下という小波をなだらかにして、大きな流れを一つの線であらわします。
ラインが上向き → 川が「上流へ力強く流れている」=価格の上昇圧力が強い
ラインが下向き → 川が「下流へ向かって流れている」=価格の下降圧力が強い
使い方:
• ラインが上向きのときに「買い」
• ラインが下向きのときに「売り」
小さな価格の振れに惑わされず、大きな流れに沿うことで安心感が得られます。
「ゴムの伸び具合」でイメージする RSI(相対力指数)
イメージ:ゴムひもをゆっくり引けば戻りやすいですが、強く引っ張りすぎると「バチン!」と大きく跳ね返ります。
RSIはゴムの“伸びすぎ”や“縮みすぎ”を教えてくれるゲージです。
• 数字が高い(約70) → ゴムが限界まで伸ばされた状態 → そろそろ「跳ね返る(価格が下がる)」かも?
• 数字が低い(約30) → ゴムがぎゅっと縮まった状態 → そろそろ「伸びる(価格が上がる)」かも?
使い方:
ゴムが伸びすぎる前に「売り」を、縮みすぎる前に「買い」を検討
ただし、川の流れ(MA)が上向きなら、少し伸びすぎても「買い」で様子を見る。
MAとRSIはどう組み合わせる?
川の流れ(MA)で相場の大きな方向を確認
ゴムの伸び具合(RSI)で行きすぎのサインをチェック
流れに乗りつつ、伸びすぎ/縮みすぎの直前を狙う
→ この2つを合わせることで、
• エントリーの根拠がシンプルに
• 損切りポイントも流れやゴムの「限界地点」に置きやすく
• 心理的にも余裕をもってトレードできます。
簡単な実践例
MAを表示して、まず川が上流/下流どちらに向かっているかを確認
RSIを表示して、70・30付近で「跳ね返り」を警戒
トレンド方向でエントリー、RSIでタイミングを微調整
損切りはMAの少し外側か、RSIのゴムが戻り始めたところに設定
トレンドが続く限り、ポジションをホールド。転換のサインが出たら決済
まずは流れに身を任せよう
逆張り=“極点を当てる”という高難度ミッション”
順張り=“川の流れに乗る”シンプルで再現性の高い手法”
初心者のうちは、まずこの「川とゴム」の感覚をチャート上で身につけ、大きな流れに素直に乗るトレード習慣を築きましょう。これが、勝ち続けるための第一歩です。
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